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夜が明けても傍にいて。

第1章 プロローグ

あの日...

初対面の人に抱かれたのは初めてだった。


こんなにも身体の相性が合うって感じたのも初めてだった。



---もう、10回は私の家に来ただろうか...。


それなのに、あなたの名前さえ知らない。

知っているのは電話番号だけ...。



彼女がいるのか、奥さんがいるのか
あなたは朝を迎える前に帰ってしまう。



私は---


あなたを好きになってしまった。



知りたいことが沢山あるのに

聞いてしまったら

もう、あなたが
ここへ来てくれないような気がして


勇気が出ない---...。



せめて帰って行くあなたを見送ろうと思うのに
あなたの絶妙な舌と指と腰の動きに翻弄され


何度も失神するほどイかされて


朝までぐっすり眠ってしまう...。




数時間前まで確かに隣に居たのに
ぬくもりはすっかり消えていて


右隣の冷えたシーツが身体に触れると
私の溜め息が部屋の中に響いた。


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