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夜が明けても傍にいて。

第35章 番外編④

「俺、オバサンを抱いた覚えは無いな…。
あの頃はまだ弥生、お姉さんだったろ?」


「…。」



「俺の勝ちだな…。」



「ねぇ、聞いて莉菜ちゃん。

私、入院する前に慎也に最後にもう一度抱いてってお願いしたの。

そしたら慎也なんて言ったと思う?」



「おい、弥生…その話は…」


「慎也、私聞きたい。

慎也が何て答えたのか…知りたい。」



「あのね…

“弥生の命が懸かっていても抱くことは出来ない”


だったわよね?慎也さん?


ほんと、残忍な男だわ。」



「お前なぁ…。


俺と莉菜があの時どれだけお前に苦しめられたか。」






「ふんっ。


…冗談よ…。悪かったと思ってるわよ。


莉菜ちゃん、
本当に迷惑掛けてごめんなさいね?」



莉菜は首を横に振った後強い口調でこう言った。

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