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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 零一の口許で、くぐもった声が零れる。

 狭い口を押し広げながらゆっくりと奥へと進んでいく。

 心は望んでいないのに、躯が喜んでいる矛盾。

 やがて、零一が腰を使い動き始めて、私は声にならない声を上げて零一の腕を掴んだ。

「あっ、あっあっ…んっあっ……」

 零一の動きに合わせるように声が零れる。

 瞳には涙が浮かび、視界を滲ませていった。

 それなのに喘ぎは零れる一方で、快楽を欲しがるのを止められない。

 感じている私を見下ろして、零一の動きが急にスピードを上げる。

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