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君の瞳に映るもの

第4章 想い

 どうして。

 こんなにも、懐かしい気持ちが入り雑じるのか、自分でもわからない。

 手を伸ばせば触れられる距離にいるからとか、惚れられているからとか、そういった理由では片づけられない何かが確かにあって、でも、それを認めてしまうにはまだ抵抗が在る、真っ直ぐに飛び込むわけにいかない、そんな状況の中。

 疼き始めた躯の感覚が、頭の中の複雑な感情を外へ追いやっていく。

 素直に、零一に惹かれていると認めてしまえば楽なのに、心の何処かでは、まだ、否定している。

 躯は、触れられるだけで反応しているのに。

 不意に零一の唇が離れ、軽々と抱き上げられたかと思えば、ベッドの上だった。

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