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君の瞳に映るもの

第4章 想い

 零一が動きを止めたことで、その脈動が音もなく互いの存在を確かめあっているようで、意識はさっきからそこに向いていたというのに、改めて、今現実に行われている行為を認識させられた私は、落とした視線を上げて零一の顔を見た瞬間に羞恥に呑み込まれていった。

 顔から火が出そうってこういうことをいうのだと思ったと同時、それは顔だけでなく全身に循環していく。

 互いの敏感な部分で繋がり合うという行為。

 もうどれだけの時間、そうしていたのかと思い返す間もなく、私は湯気が出てしまいそうなほどに熱い顔を手で覆っていた。

「あんなに乱れていたのに、初な反応だな。そんなに恥ずかしいか?」

 一瞬、力強く両手を握られ、ゆっくりと手を剥ぎ取ると、零一は意地悪な表情を浮かべて、私の顔を覗き込んできた。

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