双子のお兄ちゃん
第15章 エピローグ
コンコン
「瑠璃~ 入るわよー」
ガチャッ
「…あ…お母さん!」
「……瑠璃…あなたすっかり綺麗になって……」
お母さんは目にいっぱいの涙を溜めてそう言った
「……お母さん…泣かないでよ……私も…泣いちゃうじゃんか………」
「……うふふ…そうよね……泣いたらメイクしてくれた人に怒られちゃうものね……」
お母さんはそう言いながらハンカチで涙を拭っていた
「……瑠璃…お母さんね……今……すごく幸せよ……」
「……お母さん……」
「……本当は…翠と蒼には…本当の母親のことなんて…一生話さないと思っていたの……でも…あの子たちは…自分で見つけてしまった……」
「……そう……だったんだ…」
「…でも……やっぱり駄目よね…翠と蒼の区別もつかないのだもの…言わなくても…いつかはバレていたんだわ……」
「…………お母さん…そのことなんだけど……翠にぃも…蒼も……違うところは…たくさんあるんだよ…?…例えば…」
私が翠にぃと蒼の違いを教えてあげようとすると
お母さんに人差し指で止められた
「いいのよ。言わないで?これからちゃんとあの2人に向き合って、自分で見つけてみせるから…」
「……そっか!……ん……わかったよ…お母さん…」
私とお母さんが2人で仲良く談笑していると
コンコン
「そろそろ始まるぞー」
「あっ…もうそんな時間なのね…今行くわ!……じゃあ…また後でね、瑠璃」
「うん!」