テキストサイズ

うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第15章 6月9日〈2回目の誕生日特別編〉

「はぁっ⁉︎ 泊まり込みで勉強会⁉︎ 」

金曜日。

久しぶりのデート……と言っても、蘭がむぅの部屋に遊びに来ただけだが……で、開口一番、むぅが叫んだ。


「うん!深雪ちゃんちのお隣の大学生さんが勉強教えてくれるの」

この前の小テスト。蘭の惨敗ぶりは知っている。

……が、

深雪の名前を聞くと、いつだって男の影がチラつく。


「その大学生って……男?」

笑われようが、聞かずにはいられないむぅ。

一方の蘭は、むぅの心内など知らずに首を傾げる。

「 うーん……多分……女、かなぁ?」

「は……なんだ……女、か……」

むぅはホッと一息吐き出した。


”俺が教えてやるのに”

高3のこの時期、その言葉を掛けてやれない。

実際、小テスト前に何度も蘭に教えてやったのに、どうしても理解出来ないらしい。


元々勉強が出来ない蘭ではない。どうしても今現在の数学が理解できないだけ。

そして、ただただ要領が悪い。

現役大学生に教えてもらい今のスランプを抜ければ、期末テストには挽回出来ているかもしれない。


頭を使うと甘いものが食べたくなるとコンビニで買い込んだ甘いお菓子を頬張る蘭。

床にうつ伏せに寝転がっては、適当な雑誌を読み始める。


(……相変わらず、色気より食い気だな。でも、女同士なら問題ないし、わかりやすいかもしれないし…)

付き合って4カ月。

今だキスより先への進展のない2人だ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ