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禁断×恋

第24章 番 外 編 ⑦

俺が覚えてるのは、何度か見た眩しい車のライトと、何度も何度も聞いたメンバーの、智の声。
それと、無機質な白いベッドに横たわる、弱った智。
その後に聞いた、智と真綾が交わした言葉。

全部全部、俺を傷つけて、
全部全部、智を傷つけた。
俺の傷は、簡単に誤魔化せたけど、
智の傷は、簡単には誤魔化せなかった。

そこまで智を追い込んでしまったのは俺で、
そんな智に気付かなかったのも俺だった。
だけど、それ以上に智は自分を追い込んで、
気付いたら、その原因を記憶から消すほどにまでなっていた。
ただ、そのおかげで智の回復は早くて、
みるみるうちに回復していった。
その代わり俺たちは、それに関する事を、今日、今、このときまでは智から隠し続けていた。
……隠し続けてこなきゃいけなかった。

そうじゃないと、また、智が智じゃなくなる気がしてたから。
今の智を失いたくなかったから。




逃げてきたんだよね。きっと。



怖かったから。



怖くて怖くて、仕方なかったから。



だけど、それももう終わり。
もう逃げちゃいけないらしい。


メンバーを呼ぼう。


翔さんと、潤くんと、相葉さん。
皆がいるところで、智に話そう。


俺だけじゃ、抱えきれないから。

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