禁断×恋
第10章 *再会*
カランカラン♪
沙羅が店から出た。
『はぁ…』
「ため息ついてたら、幸せ逃げちゃうよ?」
えっ?
聞き覚えのある声。
『……翔…くん?』
顔をあげたら、翔くんがいた。
あの日と同じ様に。
沙羅が店から出た時に、入ってきたっぽい。
翔くんが、思い出してくれればいいのに。
そう思った時、翔くんが口を開いた。
翔「……優…妃…?」
『えっ?』
翔「優妃…」
うそ…
翔くんは、泣いていた。
確かに、私の名前を呼んだ。
『翔くん?』
翔「全部、思い出した。今。ごめんね、優妃。」
翔くんが、全部思い出した。
私の事を。
そう理解した瞬間、涙が出てきた。
翔「優妃は、泣き虫だね。」
『泣かせないでよ…』
翔「あの日、言ったでしょ?
"これからもたくさん泣いちゃうかもね"って。」
『……翔くんのバカ』
初めて、翔くんにバカって言った。
翔「帰ろ、家に。」
『…うん。』