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嘘でもいいから

第6章 行き場のない想い

……………………

浮かない気持ちを隠しきれずに
想さんと待ち合わせした
居酒屋に行くと…
すでにお店の前で想さんが立っていた。


あ、スーツ姿、初めてだ…


向井さんのような華やかさは
ないけれど、童顔の想さんが
いつもよりも大人っぽく見え…
私は少しだけドキドキしてしまう。


私たちはよくある半個室に入り
掘りごたつの席に向かい合って座った。


お酒を飲むつもりはなかったけど…
やっぱり今日は1杯だけ。


何だか飲みたい気分だった。


そして、私は飲みなれている
カシスオレンジを頼むことにし
中ジョッキを持つ想さんと
意味もなく乾杯をした。

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