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嘘でもいいから

第15章 嘘でもいいから

あの日想さんと交わした会話が
ぐるぐると渦を巻いて
私の中に浮かび上がってきた。

そうだ…他にも…


「あと、連絡ひとつ寄こさない
〝優花〟を待っていられる理由も…
何て言ったか覚えてる?」


もちろん、覚えてる…


〝優花を愛してるから〟


私は自分でも分かるくらい
頬を赤く染めていた。


1年前には
想さんが決して言葉にしなかった
私を想ってくれる気持ち。

想さんに愛される〝優花さん〟が
ずっと羨ましかったけど…

こんなにも優しい眼差しで
私を見てくれていたことに
なんで気付かなかったんだろう。

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