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嘘でもいいから

第3章 偶然の出逢い

それに、この場所にはもうひとつ
特別な意味があった。


私は記憶に無いけれど…
お母さんが居なくなる前…
親子三人で遊びに行ったらしいのだ。


そのことに気付いたのは小学生の時。

前からいくらそこに行きたがっても
人が多くてうるさいだけだって
お父さんは相手にしてくれなかった。

少し離れてるとは言っても
同じ関東に住んでいるのだから…
一回くらい連れて行って
くれてもいいのに!

そう言ってもお父さんは頑固で…

その上、遠足で行けることになった時は
インフルエンザで行けないし。

もうおねだりするのも諦めた頃…

アルバムの中にある写真の数枚に
あの有名なお城がぼんやり
写り込んでいるのを見つけたのだ。

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