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嘘でもいいから

第4章 想いの迷宮

身支度を整え、飛び乗った電車の中…
私はいろんな後悔が渦巻いて
あぁ、とか…うぅ、とか…
気を付けていないと変な独り言を
言ってしまいそうな程だった。

まずはお財布忘れたところから
始まったんだよね…
そしてまさかの寝坊…


まず…向井さん。
確かに素敵な人だと思ってた。
でもキスなんて…


向井さんの言っていた〝俺の気持ち〟
何ていうのも全然知らなかったし…


食事…どうしよう。
向井さんは素敵な笑顔で強引に
仕事を進める天才だって
部長が言ってた。

私も、向井さんのお誘いを
断る自信なんてない…

もし本当に食事することになったら…
ちゃんと伝えよう。
私にはその気が無いって…


そう思いながらも、心のどこかで
昨日のキスを甘く思い返して
しまっている自分がいるのも
事実だった。

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