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嘘でもいいから

第4章 想いの迷宮

「そんなこと!
想さんは本当に素敵です。
あ、いや、すみません…
あの…父みたいって言ったのには
理由があって…
聞いてもらっていいですか?」


想さんは優しく目を細めた。


私は初めて会った人なのに
あの写真のこと。
消えてしまったお母さんのことを
話していた。


「その写真の中に
お父さんのアイスクリームを
食べさせてもらってる写真があって。
私は何にも記憶が無いんですけど…」


「そうか…
じゃあここは、想い出の地なんだね。」


「そうですね…覚えてなくても。
でも今日、想さんのおかげで
楽しい想い出が追加されました。
本当にありがとうございました…」


想さんの瞳を見てると
何だかすごく安心する…

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