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“ 今まで、ありがとう
　……そして、ごめんなさい ”



あの時、笑顔でそう言った朱莉に


立ち尽くすだけで、答えられなかった言葉を………




「………朱莉、ありがとう」


「…………っ」




震える手に、自分の手を重ねて


大粒の涙を浮かべる瞳を見つめながら


心の声を紡いでいく。




「………俺のせいで、色々と
辛くて苦しい想いをさせてしまって、本当にごめんな」


「…………っ」




大きく、首を横にふる朱莉。


どれだけの悲しみを、その体で受け止めてきたか


何もできなかったことが悔やまれるけど………


………２人の未来の為に


俺が今、できることは………




「朱莉がいてくれたから、俺の大学生活は夢そのものだった。


俺にとって、あの頃の記憶は、一生大切にする宝だ。


………朱莉と出逢えて


俺は幸せだったよ」