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恋してキスして抱きしめて

第20章 ただ、想うだけで


短い間にそんなことを考えていると




「……諦めがつくようにだよ」




煙草を咥えたまま、お兄ちゃんが口を開いた。




「……諦め?」


「手に入らないなら

せめて

自分にとって大切な人と、幸せになってほしい」




………?


ますますその意味が分からなくて、じっとお兄ちゃんの瞳を見つめると




「……カンがいいくせに、肝心なところは鈍感」




煙草を灰皿に潰して


お兄ちゃんはふっと笑った。




「ほんと、そっくりだな」


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