無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

家を出てから今まで、ずっと携帯をバッグの中に入れっぱなしだった。


………ユーリさんから着信の無い画面を見るのが辛くて、無意識に携帯を使うことが少なくなってるんだ。




きっと、今日も………




と、その時



「～～～早く早く！
後夜祭のメインステージ、ヤバイことになってる！！」



あたしのいる並びのテーブルで、女の子のグループがキャーキャー騒ぎ出して


同時に、入口からすごい勢いで、別の女の子が走ってきた。



「今友達からもメールきたよ！
飛び入りで芸能人が歌ってるんでしょ？」

「いや、どうやらうちの学生らしいよ！」

「え、マジ！？」

「だって見たことないし、だけどめっちゃ上手くて……」



………なんだろう？


女の子のグループもそうだし、学食から人がどんどんいなくなっていく。


後夜祭は毎年有名人も来るみたいだから、シークレットゲストとかかな？


携帯を取り出しながら、皆が走り去るのを不思議に思って眺めていると……