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恋してキスして抱きしめて

第23章 もう一度、あの場所から


噴水広場の、3つ並んだベンチが見えた




次の瞬間





「…………!!」





突然、後ろからぐいっと右腕を引っ張られて


そのまま


振り向くことも出来ないまま、あたしは後ろへと倒れていく。




「………はは

相変わらず足速いんだから」




………あたしと同じ、息の切れた掠れ声。


力強く右腕を掴んだ、その手が


後ろから、あたしの体をすっぽりと包みこんだ。




「捕まえた」




スピーカーを通じて、空まで響いていた声が



今、頭の後ろから



あたしの耳元で



あたしだけに聞こえる近さで



そっと、囁かれた。





「もう、絶対離さない」



「…………っ」



「離さないよ、ちーちゃん」


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