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恋してキスして抱きしめて

第26章 恋してキスして抱きしめて

「コネで入ったことは否定しないけど
こんな道楽息子でも、案外役立つらしいぜ?」



夏輝はスーツの内ポケットに手を入れて、何かを探しながらベラベラと喋り続ける。



「相手国の歴史・文化・宗教」

「…………!」

「社会構成・経済状況に、地理とか風土の知識とかも」

「…………!!」

「この会社のグローバル拠点は、全部回ったからな。
旅人してた間に、大体は身についたよ」



どぇぇぇぇ!!

い、いきなりすげーこと言いだしちゃったよ!?

途端に別人に見えてきましたけど!!



「この人達ね、海外支社のお偉いさん。
みんな友達なんだ」



もう声が出なくなった俺の手に、夏輝は取り出した名刺を次々と渡してくる。



「デバイスマテリアル上海有限公司の、張くん」

「…………!」

「米国電子材料R&Mグループの、ロドリゲス」

「…………!!」

「Manufacturing Europe、アランちゃん」

「~~~~!!」



2日前と同じ、ドヤ顔で

夏輝は、腕を組んで笑った。




「それと

俺、10ヶ国語喋れる」


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