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恋してキスして抱きしめて

第7章 花火マジック

「……ユーリさん」



どこに住んでるのかとか、趣味とか特技とか………聞きたいことは、他にも沢山ある。


お兄ちゃんの頼みとはいえ、どうしてあたしに協力してくれるのかも、聞いてみたい。


だけど


一番聞きたいのは……



「……彼女さんは……?」

「………!」

「ユーリさんには、恋人がいらっしゃいますか?」



恋をしたことがないから、もちろん彼女の立場としての気持ちは分からないけど


こうして2人でデートごっこをするなんて、彼女からしたらきっと迷惑だよね……?



その整った横顔をじっと見つめると


ユーリさんは煙草を灰皿に入れて、あたしを見てニカッと笑った。




「今は、ちーちゃんが俺の彼女でしょ?」


「………!」


「ちーちゃんは、な~んも気にしなくていいの」


「………っ」




………ドキン、ドキンって……


とても大きな音が、全身を駆け巡る。


………嬉しいのに、どうしてか悲しい。


あたしは子供っぽいってよく言われるけど


今の言葉が冗談だって、ちゃんと分かってる。


これ以上聞かないでねって、意味だってことも


分かってるんだけど………

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