テキストサイズ

君模様

第12章 5年前




あれは
どのくらい昔のことなんだろうか。
今考えれば、とても前のことのように感じる。

まだ寒い
冬の駅だった。

あの日は、友達と遊ぶ約束で
駅でひとり、立っていた。



『なぁ、女』



低いが、透き通るような声が
背中からあたしを呼んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ