蛹
第1章 1
「…はぁ…はぁ…」
「どこに隠れた!!…逃げても無駄だ!!大人しく出てこい!!」
「はぁ…」
もう逃げ切れない…
「早く出てきた方が身のためだ!!」
繁華街から少し離れた細い路地に逃げ込んだ
追ってきたのわ、5人、まぁ…チンピラだろう…
「あの野郎…どこに隠れた!!」
足が震え、心臓が出そうなくらいドキドキしてる…
名前わ、孝之…
つい二時間前…引っ越しの準備をしていた孝之の元に、このチンピラがやってきたのだ
「父親の借金返してもらおうか!!」
「俺にわ関係ない。」
「親が払えないなら子供が払うしかないだろ!!」
そう、父親わ、失踪してしまい、家にいられなくなっての引っ越しだ
「知らねーよ、金なんかねーよ」
「兄貴!!どうします?」
「臓器でも売ってもらうか…つれてけ」
孝之わ、カバンを投げつけ家を逃げ出し…このざまだった
「ちきしょう……オヤジの奴、見つけたら殺してやる…… 」
孝之の頬に涙が伝った
そして…
「兄貴!!こんなとこにいました!!」
「連れてこい…」
孝之わ覚悟を決めた
「殺せよ!!」
「ふぅん…望み通りにしてやるよ…」
チンピラに囲まれ次々に殴る蹴るの暴行が始まった……
「うっ……はぁ…」
もう…だめか…
「一人に五人かよ…きたねーな!!」
そんな声が聞こえたが…孝之わ意識を手放した…