テキストサイズ

アクマにアソコを貸しました

第4章 恋ができないじゃないですか

今朝も玄関を出る前にちゅーをする。
いや、行ってきますのちゅーなんて甘いものではなく、唾液の嚥下ですよ。最初の日、家を出る前にケィシが「キスは?」と聞いた意味が解ってから、行き帰りのラッシュ時には欠かせない儀式だ。

夜にあんなに精を受けておきながら、朝にはまた匂いを出すとかさ…早くない?もうちょっと我慢できないの?
そこんとこ、どうなの弟くん。

ズクン

子宮の奥が一瞬強く脈打って熱くなり、元に戻った。

返事なのか判らないがいい方へ解釈する。一人じゃない感じが、最近ちょっと嬉しくなりつつあった。
「反省してよね」
冗談めかして小さく呟くと、オフィスのあるビルへと入って行った。


あ、ケィシだ。すでに最前列でエレベーターが来るのを待っているケィシ。
私達は一緒に来るわけではないので、たいてい彼より遅く来る私は後ろからケィシを眺める事が日課だった。


「おはようございます」

ここに着くまでは誰の目にも入っていないような存在感のなさだったのに、会社に入っていった瞬間オーラを放つ。女の子の挨拶で遠くにいてもケィシが会社に来たと分かる程だった。

「おはようございます蘇芳(すおう)さん」

「蘇芳さんおはようございます、コーヒーでいいですか?」

「蘇芳さん、今日のお昼一緒にどうですか?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ