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アクマにアソコを貸しました

第4章 恋ができないじゃないですか

「な…なんだこれ?飲ませた薬がヤバいものだったのか…?」


飲むとお腹が発光する睡眠薬。そんなものがあったら、そりゃヤバいな。


うっすらとした光りはじわじわと集まって、人の貌(かたち)を成してゆく。

そして人型になった端から光るのをやめていった。

そうして現れた息を呑むような美しい男性は、よく知った容貌をしていた。

「蘇芳京紫――」茫然自失の津島くんが呟くと、その男は困ったように眉をへにゃりと下げて微笑んだ。

「ブー、外れ。正解は――知りたい?じゃあ、今は急ぐから再生したらね。
今の俺にはあんまり体力がない…体力?体力でいいのかな…まぁいいか。

要は時間がないから単刀直入に言うよ、


――梓穏を放して」


「お前何者だよ、カグは俺の…これから俺とヤリまくるんだよ!邪魔すんな!」

怯えた目を向けつつ、頑固に所有権を主張する津島くんにため息混じりの説明をする彼。

「いや、もう帰りなって。もうすぐあいつが来る。そしたらキミ、絶対後悔する。あいつは俺程優しくはないよ…?」


そう言った彼の瞳に驚いた。面白がっていたぶるような目つきがケィシそっくりで――それなのに瞳の色が暗めの橙色。ケィシとは真逆の色だった。

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