テキストサイズ

ワタシの履歴

第20章 苦悩

龍平に声をかけられ、目を覚ます。

龍平は、私を抱き抱え、私の手首を抑えていた。

「輝子!大丈夫か!」

「…あぁ、うん…」

龍平は、すごく焦っている様子だった。

「血!何で…!」

『なんて言おう…』

「…分からない…」

「救急車呼ぶから!」

と言って、携帯を手にする夫。

私はそれを聞いて正気に戻った。

「待って!大丈夫!大丈夫だから救急車はいい!」

「なんで!?呼ぶよ!」

「いい!本当にいい!」

夫はまだオロオロしていたが、「分かった」と言って呼ばないでくれた。

「病院は?」

と聞く夫に

「大丈夫…ほら、血止まってきたし」

「でも…」

「ガーゼあてとけば大丈夫だから」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ