
優しいキスをして
第1章 出来心
「意外と可愛い反応するんだね」
北澤さんは、ちょっとニヤニヤしながら言った。完全に形勢逆転された。
「うるさいー!」
「いつも目がギラギラしてて全然余裕だと思ったけど」
「ほっといて!ちょっと気が緩んでただけだよ」
夜の暗がりでよかった。あたしは今きっと顔が赤くなってると思う。
「男なんてこんなもんなんだからー。俺じゃなかったらそのまま襲うやつだっているよ。きっと」
「……だって。北澤さんは絶対あたしにはそうゆーことしないと思ってたし」
「俺だって男だからねぇ。挑発に乗ることはあるしー」
「そうゆーもんかぁ……」
「あんまり甘く見ないようにしてくれたまえ」
「はいー……」
くそぉ……。やられた。
ちょっとしょんぼりしているあたしに北澤さんが肩をポンポンする。
「まあ、遊ぶのもほどほどにね。今日も会うんだろ?刺青男に」
「うん……」
「そっか……。じゃあね」
気づけば駐車場に着いていて、北澤さんはそれだけ言うと自分の車に乗り込んでいった。
……じゃあねと言った顔が少し切なげに見えたのはあたしの気のせいだろうか。
あたしも自分の車の鍵を開け、乗ると助手席に道具セットを置いた。あたしがエンジンをかける前に北澤さんは先に車を発進させて行ってしまった。
はあ……。
なんだかな……。
「……どうしよ。行くのやめよっかな」
あたしは携帯で時間を確認した。
胸がなんだかもやもやしてこのままノブくんに会うのはちょっと気が引けた。
今、9時20分。約束は10時。今からキャンセルの連絡をするのは遅すぎる。いつも8時前なら全然大丈夫だよ♪と言ってくれるけど、さすがにこの時間。約束を破るのはヤバイ。あっちだって奥さんに何かしら言い訳をしているはずだから。
はぁ……。
なんでため息ついてんだ、あたし。
あたしはどうせ淫乱。失恋で傷ついた心と淋しさをエッチで埋めてるだけなんだから。
あたしはそーゆー女なんだから。今さらセンチメンタルになんかなったら、おかしいでそょ。
よし、行こう。
思い直して携帯のディスプレイを消そうとすると、メールの受信があったことに気づいた。
とりあえず開けて見た。
「えっ?」
北澤さんは、ちょっとニヤニヤしながら言った。完全に形勢逆転された。
「うるさいー!」
「いつも目がギラギラしてて全然余裕だと思ったけど」
「ほっといて!ちょっと気が緩んでただけだよ」
夜の暗がりでよかった。あたしは今きっと顔が赤くなってると思う。
「男なんてこんなもんなんだからー。俺じゃなかったらそのまま襲うやつだっているよ。きっと」
「……だって。北澤さんは絶対あたしにはそうゆーことしないと思ってたし」
「俺だって男だからねぇ。挑発に乗ることはあるしー」
「そうゆーもんかぁ……」
「あんまり甘く見ないようにしてくれたまえ」
「はいー……」
くそぉ……。やられた。
ちょっとしょんぼりしているあたしに北澤さんが肩をポンポンする。
「まあ、遊ぶのもほどほどにね。今日も会うんだろ?刺青男に」
「うん……」
「そっか……。じゃあね」
気づけば駐車場に着いていて、北澤さんはそれだけ言うと自分の車に乗り込んでいった。
……じゃあねと言った顔が少し切なげに見えたのはあたしの気のせいだろうか。
あたしも自分の車の鍵を開け、乗ると助手席に道具セットを置いた。あたしがエンジンをかける前に北澤さんは先に車を発進させて行ってしまった。
はあ……。
なんだかな……。
「……どうしよ。行くのやめよっかな」
あたしは携帯で時間を確認した。
胸がなんだかもやもやしてこのままノブくんに会うのはちょっと気が引けた。
今、9時20分。約束は10時。今からキャンセルの連絡をするのは遅すぎる。いつも8時前なら全然大丈夫だよ♪と言ってくれるけど、さすがにこの時間。約束を破るのはヤバイ。あっちだって奥さんに何かしら言い訳をしているはずだから。
はぁ……。
なんでため息ついてんだ、あたし。
あたしはどうせ淫乱。失恋で傷ついた心と淋しさをエッチで埋めてるだけなんだから。
あたしはそーゆー女なんだから。今さらセンチメンタルになんかなったら、おかしいでそょ。
よし、行こう。
思い直して携帯のディスプレイを消そうとすると、メールの受信があったことに気づいた。
とりあえず開けて見た。
「えっ?」
