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年齢差もあるし、正直、恋愛対象としては眼中にないのかも知れない。でも、少なくとも、アドレスを交換してくれたってことは、「男」としてはともかく「人」としては好かれている…はず。
木村がそんなことを考えていたその頃、友香のほうも無意識のうちに、木村に惹かれ初めていた。
メアド交換は「職場の仲間として単に連絡手段の確保」だと、そう頭の中では思っていたが、心の奥では、木村ともっと仲良くなりたいと、そう思っていたのだ。
ただ、友香は他人の好意に対してだけではなく、自分自身の想いに対しても鈍感だった。
既にマンネリ化して冷めきってはいたが、学生時代から付き合っていた彼氏がいたので、“彼氏のいる自分が他の人に恋なんてしてはいけない”と理屈(頭)で感情を抑えこみ、自分の本当の気持ちに鈍感になっていたのだ。