
甘く染めて
第6章 №6
「うー、めんどくさい…」
ゴチャゴチャの舞台下。
衣装とかイスとか、掃除道具とかでわんさか。
ガチャン
ビク―ッ
掃除を始めようとした時、誰かが舞台下に入ってきた。
「山田?」
優しい声。
「先生!」
わーい、ありがとう良ちゃん!
先生に会えたよ
話せたよ、わーい!
「何してんの?
掃除?お前、できんの?」
ぷぷーっと笑う先生は、さっきの優しい声はどっかに行ってしまっていた。
「できますよーっ
なんなら、全部片づけてやろうではありませんか!」
「ふぅん。
できたらご褒美やるよ」
ドキン
ご、ご、ご、ご褒美だと!
「任せてください、よろこんで!」
先生は、フッと笑うと舞台下から出て行った。
