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甘く染めて

第7章 先生の事を好きになった理由



 高校一年の夏

 私は、見事に補習だった。

 「莉緒バイバイ(笑)」
 「せいぜいがんば☆」

 皆は、私を見捨てるように笑いながら教室を出て行った。

 「みんなのドアホ!」

 私は廊下を向いて叫んだ。

 「キャーん!」
 「莉緒が怒ったあ!」
 「ひゃっひゃっひゃ(笑)」

 どたどたと廊下を走る音と、皆の声がだんだん消えていった。

 ミーンミーンミーン

 セミの声が教室を支配する。

 「なんで、補習なの…ぉ」

 数学12点

 見事に補習だ。

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