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顧みすれば

第31章 旅立ち

「紗英ちゃん バグしてもいいかな?」


私は頷いて立ち上がり

両手を広げた。


おじさまにギュッと抱き締められる。


その時今まで感じたことのない

違和感のような恐怖心のような

感情が込み上げてきて

心臓がバクバクと音をたてた。


「おじさま、変なこと言ってもいいかしら」


おじさまの胸のなかで呟いた。


「なんだい?」


おじさまは優しくこたえてくれる



「男の人が、怖い」



「そうか...

 しばらく辛いかもしれないが

 それが正常な感情だよ。


 そのあとはね、

 愛する男の腕の中しかいたくなくなるよ」


そう言って腕に力を込めた。

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