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シュールな関係

第21章 過去への清算

黙って

話を聞いていた山本さんが


「はい… 


雅也さまは若菜さまが

亡くなられてと思って以来…


ひたすら仕事だけに専念されて

おりました


若菜さまだけをいつまでも

想われておりました




ただ…


奈緒様と初めてお会いされた時…


距離を取っていたのは

感じておりました



あまりにも

お二人が似ておられたので

近寄られなかったのでしょう…


ですが…

お二人は見た目以外…性格は

対照的と申しましょうか…


雅也さまからすれば奈緒様の

ことは…

若菜さまの代わりだと…


そんな安易な付き合いは

されてないと思います」



わたしは

ただの代役ではないと

…山本さんが考えを述べる。





なんだか凄く…胸が苦しい




若菜さんが

薬指に指輪をしていても



まだ…



結婚していないのが分かる 


だって


同じデザインの指輪が・・・

一之瀬さんが身につけている

十字架のペンダントのトップに

つけられているのだから…



まるで二人は

ロミオとジュリエット





彼女は保育の仕事をしていて…

夕方には時間が取れる…




明後日にはもう日本に…帰る




「若菜さん 


明日も…

仕事後にここで

お会いしていただけますか?」




なんとかしたい…


わたしには何が出来るのだろう



わたしが…ここ…スイスに


連れてこられたってことは…



若菜さんに始めっから会わすため

だったのですよね…会長?


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