シュールな関係
第6章 好みとは
も…もしかして
ご両親が不治の病で
『雅也
死ぬ前に・・・孫を・・・
一目見せて…くれ』
とか言われてせかされて
いるんじゃないの?
それともどこぞの令嬢に
見初められて婿養子の話が
出ているとか?
色んな考えが頭を駆け巡る。
一之瀬さんは暫く黙ってたかと
思うといきなり
「・・・このアイスうまいぞ
おまえも喰ってみろ」
スプーンがわたしの口に
押し当てられ強引に唇の中に
入れられる。
ラズベリーの甘ずっぱい酸味が
口いっぱいに広がって
「ん~~~~!!!
このアイス絶品!!
わたしのパンナコッタも凄く
滑らかでもう美味しすぎ!!」
話をはぐらされてるのにも
まったく気付かずアイスに
騙されるわたし。