君の笑顔をーー
第22章 お前の笑顔が…
陸は私を優しく抱きしめたーー
「……陸..。」
陸は微笑みながら、私をもう一度抱きしめた。
「ねぇ…陸…。
でも、私は先輩と..」
『お前は、何も気にすんな。
先輩とは、俺が話してきた。
お前と何があったのかも聞いた。
泉、昔の記憶を突然思い出したんじゃないのか?
どこかで、男を拒絶しちまってんのかもしれないな…
それはそうだろう。幼い頃に、あんな怖い思いをしてきたんだから…。』
陸はそう言うと、私を抱きしめる腕に力を込めた。
『もう。一人で泣くなよ…
一人で我慢すんな。
俺がいくらでも、お前の話を聞いてやる。
お前を守ってやる。
俺のそばにいろよ…
どこにも行くなよ。』
「陸…。」
私は陸のことまで傷付けたくないよ…
先輩を拒絶したように、陸までなんて、絶対に嫌だ……
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