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表裏、一体。

第3章 恋人。

私は、呆れる程に、つくづくツマラナイ女だ。

登下校を共にしたい、
映画デートに行きたい、
遊園地もいいな、
手を繋いで、
キスをして、
愛し合って、
記念日も祝ってみたい、
メールも電話もたくさんして、
まるで、本当に、好き同士の、


恋人みたいに。









完全に浮かれている。









でも、そんな風に甘い誘惑に酔っている自分も悪くないな、と思った。
人間と一定の距離を保ち、避け続け、悲しい孤独の塊だった過去の私たちが、なんだか、



救われる気もしたから。

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