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表裏、一体。

第5章 情事。

私は、素早く体を彼に向け、彼の肩に爪を食い込ませながら、ベッドに押し倒した。



そして、

狂ったように、

キスをする。



「んっ……ハァ…っ……」

「待っ……え…み……っ……」

部屋は、唾液が混ざり合ういやらしい音と、途切れ途切れの荒い息遣いで、満ちる。
舌のテクニックとか、私には、わからない。
ただ、本能的に。
彼の口内を、私で充したい、その一心、で。
他は、いらない。
呼吸の仕方も、わからない。
もう、いっそのこと、このまま、酸欠で、










2人で


死ねたら


素敵。












「えみ…っ!!…苦……し…って!!」

どんなに、力いっぱい、私が彼を押さえつけていても、狂気を持ってしてでも、男女の力の差には、太刀打ちできない。
私には、彼を縛り付けることが、できない。
白内君は、突き飛ばす勢いで私を自分から引き剥がし、ただ、でも、私が後ろに倒れる前に、



力いっぱい、


抱きしめた。

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