テキストサイズ

WE ARE へんじん。

第19章 結城愛花


愛花の通う美桜高校。

昭和時代から咲き続ける

お年寄りの桜の木が、

緑の葉を揺らしている。

春の入学式は、

凄くキレイなんだろう。



「おじょうちゃん、何してんの」

突然声をかけられ、

びっくりした。

振り向くと門番さんらしき

おじいさんが立っていた。

「桜の木がキレイだな

って思って。」


紫苑が素直に答えると、

「そうじゃのう、

わしはこの高校の門番を

10年やっておるが、

その頃に比べたら

やはり年じゃよ。」


おじいさんは

人懐っこい笑顔で言った。

「そうなんですか....」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ