お前は俺のxxx
第105章 大切な…
俺の颯太への怒りは収まりそうにねぇ。
結愛ちゃんが無事だったから良かったが、もしもあの時、間に合わなかったら…
その事を考えていると、公園へ駆け込んでくる颯太の姿に気付いた。
俺は吸っていたタバコを揉み消すと、携帯灰皿にしまい颯太の方へと歩いた。
俺は拳を握ると、颯太の左頬を思い切り殴り、怒鳴りつけた。
どんな理由があろうが、
言い訳なんかすんじゃねぇ。
颯太の性格はガキの頃から分かってる。
俺の指摘に唇を噛み締め、言い返せないでいるところをみると、それが図星なのだと思った。
別に俺は颯太にどう思われようが構わねぇ。
颯太自身が自分で気付くまでは、俺は何も言うつもりはねぇ。
人ってのはそうなのだと俺は思う。
俺も昔は先輩から言われ、
腹を立てた事がある。
その時はただ憎むことしか出来ず、先輩から離れていった。
けど、それから数年が経った頃。
あの時先輩から言われた意味を理解する事ができた。
俺が憎くて言ったわけじゃ無かった。
相手を想うってことは、こういう事なんだと気付いた時にはもう…
先輩はこの世には居なかったーー
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