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「伝えたい事ってなんですか？」


男の部員の誰かが先生に質問した。

先生は目を伏したまま、黙りこんでいる。

暫くして、また口を開いた。
だが、その言葉はとても衝撃的だった。


「実は…。


実は、今日をもってここ演劇部は、廃部になることになったの」




………え、



「「えぇぇぇぇぇええ！！！？」」


みんながいっせいにハモった。
ま、そりゃそうでしょ。


その後、なんで？とか嘘でしょ！？とか色々な言葉があちこちから零れた。


「みんなも知ってる通り、私は妊娠しています。そろそろ産休をとらなければいけなくなったの。でもね、演劇の顧問って私だけでし ょ？だから、他の先生に頼んでみたんだけど……、駄目だって」


いやいやいや、「駄目だって」じゃないでしょ。


｢ここの演劇部ってあんまり強くもないじゃない？まあ、他にも必要ない部活もあるけれど…。
ここは人数も少ないし、無くなってもあまり変わらないだろうって」


……そ、そんな………。

確かに、人数は少ないけれど学期末にする劇の発表を楽しみにしてくれてた人もいたのに……。


先生はその後も何か話してたみたいだけど、 私の耳には入ってこなかった。