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Hなサッカー部

第1章 突然の廃部

手をガシっと掴まれてしまった。

驚いて振り向くと、私にボールをぶつけたであろう男子が真剣な表情で私を見つめていた。
…ていうか、さっきは見なかったから分からなかったけれど、この人…… めっちゃイケメン。体操服の名前の色から、同い年ということが伺える。


「こ、ここにいた私も悪いし…。大丈夫だから手離してよ…」


俯きながらそう言うと、男は「あ…」と言いながら手を離した。


「……つか、大丈夫なわけないだろ!泣く程痛かったみたいだし」

「……え?」


気が付くと、私の頬には一筋の涙が零れていた。


……でも、きっと痛いから泣いているんじゃないんだ。


「平気。別の事だから」

「別の事?」


やば、食いついてきた。


「…あ、いや、その……」


どうしよ、ガン見してるし。


「…部活が、廃部になって…」

「廃部?」


男の子は一瞬驚いて、すぐに普通の顔に戻った。


「…泣く程悲しいの?」

「…別に、悲しいとかじゃないけど、…寂しいっていうか…」

なんか、話してるだけでも涙出てくるなぁ…。


「ふ~ん…」

「じゃ、私はこれで…」


もう話す事もないし立ち去ろう。
なんか色々食いついてくる人だったな…


「まてよ」

……またか。


「なんですか」

「まあそう怒るなって。

…廃部になって行くとこねぇなら、サッカー部のマネージャーならねぇか?」

「……え?」


突然の一言。

私は急な発言に固まっていた。



「っていうか……




なれよ」


「は、はい…?」


この言葉で、私の学校生活は180°変わった。

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