あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
私がそう言うと、
「まぁ、そりゃそうだろうな。
たぶん俺たち子供が興味本位で近寄らないように
お寺の関係者は黙ってたんじゃないか?」
「うーん、確かに。
樹と神楽にいちゃんなんて特に
入っていっちゃいそうだもんね。」
「うん、てか実際入ったけどな。」
「それで?森と神社の関係は?」
私が少し焦れったくなって先を急かすと、
「あ、そうそう。
そんでだ、神隠しって噂もたって
気味が悪いっていう地元住民や、
興味本位で立ち入ろうとする人間なんかが
いてゴタゴタしたらしい。
それで仕方ないから森のすぐそばの
神楽にいちゃんとこの神社が、
あの森全部の管理者になるって形で地主から買い取ったらしい。
…というか森の地主も噂が怖くて
タダ同然の値段で買ってくれと神社に頼んだらしい。」