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曖昧☆Bboys

第32章 私の望み

ポツリポツリと大粒の雨が空から落ちてくる。


雨足は一気に強まってきた。


小走りで人混みを歩くがどうにも上手く前に進めない。


ああっもうっ!


駅まであと少しだっていうのにっ!


イライラしながら人混みを掻き分ける。


その間に私はどんどん濡れてしまうのだ。


すると、すうっと雨が止んだ。


あれ?


上を見ると大きな黒い傘に覆われていた。


後ろを振り向くと…


「紅林さん!」


「随分濡れてしまってるね、美咲さん」


余裕のある大人な微笑みで私を見つめていた。


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