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溺愛禁止。

第15章 彼の音

「ち、違うし///…。」


「あっそ…。」


プイッとそっぽを向いて歩き出す蓮君。



素直に全部、言えたらいいのに…。



「ちょっと待ってよ、」


スタスタと早足で私を無視する彼。


「何で?怒ってるの?」


「…。」



「ねぇってばっ!」


私は咄嗟に蓮君のマフラーを引っ張ってしまった。



「ぐえっ!

何すんだよっ、」



蓮君は勢いで後ろに一歩下がった。





「フフっ…。」


よろけた蓮君を見て可笑しくなった私。



「何笑ってんだー?」




そう言って


自分のマフラーを外して手に持った蓮君。


一瞬にして何かを企んだようだった…。




イタズラ顔で一歩ずつ接近してくる彼に


私は後退りした…





だけど---









「俺から逃げられると思うなよ…。」







蓮君の白いマフラーが蓮君の手によって


正面から私の首に


優しく巻き付けられた。

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