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最後の恋は甘めの味で

第41章 あれ?言ってなかったっけ?




ケーキ......?



あぁ、そうか。


あの時お金を渡したのはそれか。


「まあ、数量限定のチーズケーキ頼んだのでちょっと遅くなるかもですけど」


いつの間にやら帰り支度を済ませ、祐也くんは微笑した。


なぜ限定品?と思えど理由はすぐ分かった。


俺と話をするための時間稼ぎだ。


暁さんが鈍感が故に使えた技なのだとしみじみ思った。


玄関に行く祐也くんをお見送りするため俺もついていく。


靴を履こうとしてここまででいいと言われたので立ち止まる。


「では母のことこれからもお願いします」


そう言って優しく笑った祐也くんに少し暁さんが見えた気がした。


養子と言えど、一緒に暮らしていればそれは本物になるのかもしれないとほっこりしていると


ヒヤッと体を冷やす空気。


まさかと思い、祐也くんを見れば案の定あの時の顔で。












「まあ....泣かせたら許さねーけどな」












低く重く俺の腹に響いたそれに思わず頭を下げ謝った俺がいたのは言うまでもない。

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