テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第7章 事実

俺は気になり口を開く。


「あの人が俺に惑わされてた?俺の話聞いてたのか?そんな節全然」

「〜〜〜〜!........もう知らない。しばらく私に連絡をよこさないで頂戴。そうね.....あなたが彼女からビンタの一発でも食らった時に呼んでもらおうかしら?じゃ、さようなら」


脱いだ上着を肩に掛け、いきなりの絶交宣言にもふさわしいその言葉を吐き、店を出ていく涼。



.......マジで意味わかんねぇ



俺が責められる理由。


どこにあるのか。


強いて言うなら涼にとっては俺の言動全てなのだろう。


簡単に言えば、暁さんの態度全てにムカついた。


だから、多分ホテルに連れていったのは腹いせなのだろう。









泣いていたのに俺に言わなかった。


俺のキスを忘れていた。


俺の前戯で、会社でもホテルでも泣きやがった。










上げれば上げるほどに俺はまるで暁さんのことが......










「こちら、頼まれた一番度が高い酒です」


俺の隣にこんと音を立て、酒を置くバーテンダー。


その笑顔は俺を慰めているようで......


どうやら涼にふられたとかいう勘違いをされているらしい。


その視線も自分の考えもうざくて俺は酒を一気飲みした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ