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秘密の時間は私のもの

第19章 提案






俺も男だ。


(妙な威圧感に押されたとは言え)はいと答えたんだ。


逃げることはせず、しっかり答えるさ。


答える.....答える.....が



ジーーーーー......



さっきからじっと上野が俺を見つめるもんだから


どうにも話辛い。


何なんだ。この視線は一体。


“人の話を聞く時には人の目を見て”


なんてよく言ったもんだが、上野のこれは人の話を聞くってもんじゃない。


何か信じられないものを見る目だ。



信じられないって....俺の何をだ?

散々酷い言葉口にして来たから、俺の性格とか?



しかし、このタイミングでその眼差しを俺に向けるのはおかしい。


だったらもっと早い段階で俺はそれを向けられている筈だ。


言い切る自分も悲しいが。


そうだな。


例えば、上野は勘が良いから


保健室のあの時、俺があの場にいて覗き見してた


って当たりを付けてるとしよう。


そうだとしたら



あの藤塚が覗き見?信じられなーい



的な?


“あの藤塚”の意味はよく分からんが。

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