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秘密の時間は私のもの

第19章 提案

しかし、あまり待つのは、と上野を見ると


上野は何かを決意したように俺を真っ直ぐ見詰めていた。


その真っ直ぐさに思わず生唾を飲み込んだが


俺も逸らさず、上野を見ていると上野がゆっくりと口を開いた。



「1つ、提案がある」

「.......は?」

「だから、提案があるから聞け」

「..........」



何も理解していないのに何だその言葉。


いきなり何の提案をされるんだよ。


俺は。


どう答えようか迷っていると、


答えなんて待たぬな上野は、そのまま話を進めようとする。



「そもそも2人に共通して邪魔なのは」

「おい、待て。バカ。勝手に自己完結して話進めようとしてんじゃねぇよ」

「バ....おま...最初と言ってること、真逆だぞ」

「俺が全く理解してねぇのに話進めようとするからだろ」



そんな俺の言葉に、上野は苦しそうに眉を潜めた。



「.......いいんだよ。理解しなくて。されても困るんだよ。全体的に俺が」



なんだよ。それ



言及しようと口を開くが続け様に



「とにかく、今はそれで良しとしてくれ」



上野が弱々しくそう言うから、言葉が出なくなってしまった。

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