秘密の時間は私のもの
第21章 説明してもらおうか
颯太をなんとか説得し、その場に座らせる。
説得した、ってか、強引に座らせたって感じだ。
なんせ颯太の俺と上野を見る目は、まだ疑念を持っている。
それもこれも“お取り込み中”などとほざいた滝波のせいだ。
......純粋に信じ、考えを飛躍した颯太も颯太なんだろうが...
そうだと分かっていても、俺の頭は颯太を責めるって選択をしないのだから
全矛先が滝波に向かうのは、仕方の無いこと。
勝手に自己完結し、いざ、滝波に文句を、と見えた顔。
もう終わり?つまんねっと言った感じで。
つまり、完全に意図があったということで。
こいつ.....あとでシバいたろか
女だとか関係なく本気でそう思う。
ぎりぎりと奥歯を鳴らし、力の限り滝波に睨みを効かせるが
滝波は当たり前のようにその視線はスルー。
分かってましたよ?
分かってましたけども、お前も女ならちょっと怯えるとかしろよ!!
渾身の睨みだっただけに、プライドがズタボロだ。
だけどそんな俺を滝波が構う筈もなく
いつもの無表情とは少し違う表情で滝波は口を開いた。
「“お久し振り”ですね。藤塚くん」
強い口調。
細められた瞳の奥には微かな怒りを感じる。