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モーテル305号室

第1章 始まりはハタチ。



元から愛想を振りまくのは得意だった。
接客業は向いていた。
それが夜の仕事に変更されることに
時間はかからなかった。

昼間の仕事の稼ぎは効率が悪かった。

大それた夢もないくせに
実家暮らしのくせに

もっともっとお金が欲しかった。
多分、きっと、
いや間違いなくただだらだらと遊ぶためのお金。

ホストにハマっていた訳ではない。
一度も行った事がない。

お酒が大好きなわけじゃない。
だから飲み会にも出席しないし
居心地悪くて馴染めないから誘われもしないし
ギャンブルもしないし、
タバコも吸わないし、
ブランド物も好きなわけではなし。


彼女は

栗原 ゆり

は本当に本当に普通の女の子だった。

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