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特別刑務所(仮)

第10章 風邪。

駒場はとりあえずリビングのソファーに九条を寝かせる。

「瑠依君落ち着いて。大丈夫だから。」
「うん」

九条の近くでいったり来たりする俺を落ち着かせようとする。
駒場は鞄の中から聴診器を出し九条に当てる。
すると微かに九条の手が動く。

「九条?聞こえるか?」
「・・・・・・駒?」

ゆっくりと開く目。駒場に答えるように静かに声を出す。

「大丈夫か?熱も高い。なにかあったのか?」
「昨日雨に濡れたから・・・・」
「たく。瑠依君も心配しているぞ。」
「瑠依?」

九条は首をこちらに向ける。
俺は九条に近づき手を握る。

「九条?平気?」
「ああ。」
「九条。とりあえず解熱剤打つから腕出せ。あ、吐き気とか頭痛が出るようなら直ぐに連絡しろよ。」
「ああ。」

駒場に言われ腕を出す。
キラッと光る細い針が九条の腕に刺さる。
ゆっくりと注射器にはいっている液体が九条の血管に入っていく。

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