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特別刑務所(仮)

第18章 刑務。

「ねー、君だって殺してるだろ?」
「・・・ああ。そうだな。だけど、彼は仲間だろ?」
「仲間?仲間、仲間か。そうか。・・・・・・・・・だから何だって言うんだ?」
「え?」
「もう俺も、君もただの人殺しだろ?仲間殺しは大罪か?なら戦場で見殺しにせざるをえなかった奴等は?そいつらが死んだのだって今俺が殺して死んだこいつ同様仲間からの裏切りだろ?」

そういうと、彼は黙った。

「手伝う気がないならそこをどいてくれる?」

ただ、黙って俺に手を貸した。
正直不思議な奴だった。
人殺しに割りきりを持ちきれていないのかと思えば案外簡単に子供を殺したり、死んだ人間を調べ、その人から武器を奪ったりと。
でも、俺の中でこの不思議な思いはだんだんと理解に変わった。
こいつは仲間を大切にしたいタイプだと。
仲間のためなら殺しも平気なんだと。

「君はさ、立場が変われば俺も殺すのか?」
「九条君を?俺が?」
「客観的に君を俺なりに見た感じだけど・・・」

そうかもね。と彼は呟く。
あー、そうか。そうだな。今日まで見てきたがやはり、そうなのか。

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